ワンピース航海記録 | 漫画と映画の感想と考察

ワンピースの過去話から最新話の漫画を中心に、映画から小説など隅々まで感想と考察を熱く濃く深く書いています。

アニメ【ゴールデンカムイ】のまとめと感想

ゴールデンカムイ アニメ

(画像はTVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイトから引用)

ゴールデンカムイは、2014年に週刊ヤングジャンプで連載開始、マンガ大賞2016大賞受賞、そして2017年にアニメ化。ハード、そしてグロテスクな描写からワンピースのような大衆から人気を得る漫画とは程遠いが、確かな人気と評価を得てアニメ化に至る。私自身は初期からのファンではないが、アニメ化で話題になったのをきっかけに漫画を読み始めた。珍しく漫画にハマる中、やっとアニメが放映されたのでまとめながら感想を述べていく。以下、ネタバレを含む。

ゴールデンカムイとは

 試される大地「北海道」を舞台に約8000億円にも及ぶ金塊を巡り、日露戦争で武名を轟かせた主人公・杉本佐一とアイヌの少女・アシリパ、日露戦争での殉死者と遺族のため国家へのクーデターを企てる陸軍最強・第7師団、北海道を独立国家とするため元新選組副局長・土方歳三、三者三様の思惑と金塊に隠された秘密が交差したサバイバル×冒険×グルメ漫画である。

金塊を争奪するサバイバルアニメ

時代は1900年代初期の明治末期、日露戦争で「不死身の杉本」の名で武勇を馳せた主人公・杉本佐一(スギモト サイチ)は、同戦争で殉死した幼馴染で親友・寅次の「失明へと近づいていく妻(梅子)に治療を受けさせる」という願いを、親友のためそしてかつて別れを告げた梅子のために叶えるため、戦争終了後に北海道へと渡り砂金取りで一発当てようとしていた。そんな中、一緒に砂金取りをしていた後藤という人物から北海道のどこかに隠された金塊の噂を聞く。

 

噂の金塊の正体は、かつてアイヌ人が領地を広げ北海道を支配する和人(日本国本土の人)に対抗するための軍資金としてアイヌ人の男達が集めた大量の砂金であった。砂金は集めた内の1人が仲間を全滅させ奪い逃走、男は後に逮捕されたが捕まる前に北海道のどこかに金塊を隠す。男は金塊を狙う軍から拷問を受けた挙句、脱走防止のために足の筋を切られたが、手紙の検閲など徹底監視の中で同房になった24人の囚人達に在り処を示す刺青を彫り、「脱走したら金塊を半分やる」と伝えて外の仲間に金塊の在り処を知らせる計画を実行。24人の囚人たちは全員脱獄に成功、森の中へと消えていった。

 

最初はよくあるホラ話だと思い信じなかった杉本だったが、眠り込んでいた所を「喋りすぎた」と口封じのため後藤に狙われる。後藤を石でぶん殴り撃退した杉本は後藤の噂話を信じ始め、確信を得るために逃げた後藤を追う。追っている折、雪に埋もれた後藤を発見、雪から出してやると後藤は熊に内臓を喰われていたことに気づく。同時に後藤の身体に金塊の在り処を記した刺青が彫られていることに気づき金塊の伝説が本当であると確信。

 

遺体をおぶり持ち帰ろうとした杉本は道中で熊に襲われ、絶体絶命に陥るもアイヌの少女であるアシリパ(リは小文字)に救われる。「ウェンカムイが追ってくる」とアシリパに遺体を捨てるよう言われた杉本だったが、金塊の話と事情を説明し拒否。逆に手を組まないかと持ち掛け、金塊を奪った男に殺された仲間の中に父がいたアシリパは快諾。杉本は亡き親友と梅子のため、アシリパは父の敵討ちのため、金塊の在り処が示された刺青人皮(イレズミニンピ)を巡るサバイバルへ身を投じる。

アニメの感想とまとめ

1話ずつ形式で大まかな話の流れと感想を記述していく。話の流れは大まかにしか書かないのでアニメを観た後に閲覧を推奨。またどのように話が流れていくのか、見たいシーンを探す時などおさらいとして利用してくれるのも良い。

1話 ウェンカムイ

これは大体あらすじ通りの流れ。杉本が「金が必要なんだ、今すぐにな」と言うと後藤から「武功を立てたなら軍人恩給をもらえるのでは」と問われ、その返答が「気に入らない上官を半殺しにした( ー`дー´)キリッ」だったのが結構ツボにハマった。破天荒キャラにありきたりな文句ではあるが、後に命をかけてサバイバルすることを考えると「我慢しておけば」とつくづく思ってしまう。杉本にはどうにも我慢ならない事情があったのだろう、気持ちはよくわかる。想像すればここで杉本のキャラ立ちが始まっている。

 

そんなキャラが気に入られ後藤から金塊の話を聞き、寝込み襲われる→撃退&追走でアシリパさん登場だが、アシリパさんが漫画よりも美人に描かれていた(丁寧に描かれている)。後に登場するインカラマッというアイヌ人女性も同じくだが、昨今の美少女系ではなく東北美人、そしてロシアの血が入っている設定なので当たり前だがロシア系に近くも日本人とは乖離しない容姿はアイヌという先住民族のイメージを絶妙に表現している。日本は西を中心に文化を形成し端に行けばいくほど中心から離れている国だが、北海道と沖縄は独自の分化を築いている場所でその違いを衣装だけじゃなく顔立ちでも表している。

 

アシリパさんと共闘することになりウェンカムイ登場。現代じゃウェンカムイなんて呼ばないが肉食動物が一度食人すると人間を好んで襲うことは有名で、民族が違えど昔から忌避されてきた存在なんだなと。アイヌ人たちはそれを宗教的に結びつけウェンカムイ(悪い神)と呼び、ウェンカムイは自然の理から外れた存在として一切の恵みをもらわないのは、人間が強力な生存本能を発揮し自然と時に共存し時に抵抗してきた歴史と、近代化した世でも自然と密接に生きているアイヌ人たちが築いた文化である。

 

ウェンカムイを見事天上へ送り返した後、改めてアシリパさんと意志を確認し手を組む杉本。さきの上官を半殺しにしたり、唐突にアシリパさんを仲間に引き入れたり、行き当たりばったり快活に見えるが自身もウェンカムと同位の存在だと暗に指摘された際の表情など、後々に登場してくるキャラクターたちに恐怖される二面性が垣間見える。決意を新たにした二人で一話がフェードアウトしていきMAN WITH A MISSIONのオープニング主題歌(今回はエンディング)が流れて終わっていくが、この場面にデジャブを感じた。この感想を書いている時に思い出したが、そうだこのダークな雰囲気の中で希望に向かっていく感じは鉄血のオルフェンズだ。主人公二人いるしなおさら。

2話 のっぺら坊

今回の話から本格的な刺青人皮狩り、それとアイヌ民族の伝統料理を食べまくるグルメアニメが始まる。ここで初めて囚人情報の聞き込みのため小樽市に入る。劇中、北のウォール街と呼称されるまで発展した背景には、政府が今までは植民地程度にしか扱ってなかった北海道を正式に国の一部として編入することに決め、現在の県庁所在地にあたる本府を札幌に設置したことがきっかけだ。そこから港町として地域産業が発展し鉄道が開通されインフラが整い、人と金が集まり出して急速な発展をする。これらが全て明治初期から明治15年までの間に行われたと考えると急激な成長である。

 

リス捕獲用の罠を設置し街で聞き込みしてた所をつけてきた1人目の囚人をリスを捕るのと同じ罠で捕獲。捕獲の瞬間を見て思ったけど、あの針金の釣り上げる力で首が折れて御陀仏すると思うんだけどどうなんだろう。そこまで釣り上げる力は強くないのだろうか。捕獲した囚人の刺青をスケッチでコピーしてる間に囚人の眉間を撃ち抜いて尾形が登場。この尾形は優秀な軍人・狙撃手として後々重要なキャラクターになる。しかし何故、真っ先に杉本を撃たなかったのかが何故だ。情報を聞き出したいから?尾形も同じく罠にかかり銃が釣られるわけだが、この時代の銃の重量は約4キログラム。それがあの高さまで舞い上がるのだから首に掛かったらやっぱり御陀仏すると思う。

 

尾形が顔面を崖に叩きつけられるという痛々しいシーンであっさり退場後、 杉本とアシリパさんは腹を満たすためにリスをチタタブする。「切れ目を入れれば…」とまるで魚肉ソーセージみたいにリスの毛皮を剥ぎ、恒例となる脳みそ実食。杉本の顔芸はまだ真骨頂を迎えていない。「上品な和人のために鍋にする」と言っていたが、粉々にしたチタタブは本来生食することを考えるとアイヌはワイルド過ぎる。生チタタブってヒンナなのだろうか。ヒンナと言えば、ヒンナヒンナと発する時のテンションが予想よりも低かった。

 

大した脈絡もなく白石が登場。ウサギを捕まえるのに半端ない気合いで臨む。このウサギの耳が黒くなった理由が面白いがアニメでは省かれているので解説。アイヌで古くから伝わる由来によるとウサギの脚は元々は鹿がもっていたもので、ウサギが鹿を騙してその脚を奪い取ってしまい、怒った鹿は火のついた木(名前忘れた)を投げつけそれがウサギの耳に当たり黒くなってしまった。ウサギは逃げるための脚を手に入れたがその代わりに雪原では目立って見つかりやすい耳になってしまった、との由来が古くからアイヌで言い伝えられているそうだ。

 

アシリパさんが雄叫び上げながらウサギを獲ってる間に白石逃亡。「深追いするなよ、早くウサギ食べたいから」と白石登場してから徐々にコメディ要素が入ってくる。追走してる際に杉本はと白石は雪庇と気付かずに川へ転落するシーンがあるのだが、この雪庇というのは真上からではまったく気づけない。私もスノーボードしてる時に何度か転落したことがあり、雪国あるあるだなと。転落後、急激な体温低下からの死を回避するためにギャグ調で奮闘。アニメでは寒さが伝わってこないが、転落前のシーンでマイナス30度の猛烈な寒気が吹雪いているのでおそらく体感温度はそれ以上。また全身濡れているので体温が保持できない。ちなみにマイナス20度の中で素肌を出すと感覚麻痺と凍傷するレベルなので、杉本たちは直感的にこのままでは死ぬと悟ったのだろう。

 

脱獄王の異名を取る白石の機転により窮地を脱した杉本は白石と和解(手打ち)。入墨人皮の代わりに情報を手に入れ白石と別れる。やはりゴールデンカムイは、杉本(サバイバル)、アシリパさん(グルメ)、白石(コメディ)の3人にちょうどよい雰囲気を保っている作品なんだなと思った。その後、第七師団のボス・鶴見が登場。尾形が先鋒としてここから本格的に第七師団と争っていく流れに入った。それにしても省かれて残念なシーンがあるとはいえ、漫画とは違いアニメは非常にテンポが良い。漫画もテンポは良いがアニメならではの仕立てで面白いようにテンポが立てられている。

3話 カムイモシリ

OPの狙撃兵であるはずの尾形がナイフを構えて硬直してるシーン笑える。冒頭、前回獲ったウサギを鍋にする所から。グルメ漫画らしく美味しそうなウサギ鍋、そこに杉本が味噌を入れようと提案、味噌はアシリパさんにオソマと名付けられる。アイヌは味噌を食べない、そもそも調味料は使わずギョウジャニンニクや獲物の血など材料だけで味付けをするみたいだ。醤油も使いそうにないが出てくるアイヌ料理はみんな味付けが濃い様に見える。

 

食料調達しに狩りに出てると第七師団に見つかり走って逃げる。日常茶飯事のようにツリーランで追いかける第七師団。二手に別れるも元マタギの板垣に止足を見抜かれ見つかったアシリパさん、抱っこされた時に死んだような目をする。同じく杉本も追いつかれ白を切るも有名が祟り看破される。ヒグマの巣穴の飛び込んでヒグマと選手チェンジ、巣穴に銃弾を打ち込んだ人が顔の皮を剥がれる。ここでようやく確信したが、アニメだけあってグロテスクなシーンは可能な限りインパクトを削らずに曖昧に描いている。顔の皮がベロンとなった状態は気色悪いので当然ではあるが、尾形に引き続き第七師団の人間離れした強さを表現するのにもうちょっとグロテスクさを出しても良かったのではないか。

 

皮を剥がれた人の手が滑って仲間1人が誤射でお亡くなりになり、残った人もヒグマに噛みつかれるも即座にナイフで脇腹ぶっ刺す。この後、板垣がレタラに足グニャングニャンにされてシーンが戻ってきた後、皮剥がれた人がヒグマに銃弾全て打ち込んで力尽きるのだが、躊躇無しのツリーランと言い、即座にナイフで応戦と言い、顔の皮剥がれても戦う根性と言い、第七師団の人間逸脱性がよく描かれている。ちなみにナイフで応戦した人は木の上に投げ飛ばされぶら下がっており、そのヒグマの強さを引き合いに演出してるのも良い。足グニャグニャにされても「あの狼の毛皮が欲しい…!」なんて言っちゃう板垣を見てると第七師団はサイコパスだけ集めた集団かなと思う。戦争が人をサイコパスに変えるのか。

 

ヒグマの子供を拾った杉本はアイヌの村であるコタンに立ち寄り小熊を預ける。そこでアシリパさんの祖母・チヌに夕食を振る舞われるなど歓迎を受け、アシリパさんとの結婚まで勧められる。このシーンのアシリパさんが可愛い。アイヌでは拾った小熊は村で育てられ、大きくなったら儀式の供物となり天界に送られる。動物たちは天界にいる人間らが遊びに来ている姿で、供物を壮大に祝い送り出すことで地上が愉快な場所だと伝えてもらい、さらに呼び込み恵みを頂こうというアイヌの宗教観に基づいた慣例である。これってユーザーに口コミで広めてもらうマーケティング手法そのまんま、さらにアシリパさんは大きくなってから供物にすることで毛皮や肉などが多く取れるからだと指摘。アイヌは土着信仰の中に生きるための術を多く取り入れている。サバイバル土着信仰か。

4話 死神

冒頭はラオマフという川魚を取る罠を引き上げエゾハナカジカを取る所から始まるのだが、このラオマフの中にすごい数のカジカが入っている。まさに杉本の「すげー取れてる」の通り。杉本がナイフを忘れたことに気づき村へ戻る途中、近道しようとアマッポ(仕掛け矢)がある道を通り、罠に掛かる間一髪の所をオソマのアチャ(父親)でありアシリパさんの叔父であるマカナックルに止められる。こんなのが至る所に仕掛けられていたら、おちおち山の中へ入ることができない。戦後、残ってしまった地雷のように、仕掛け人が忘れたアマッポがあったらどうすんだ。

 

マカナックルからアイヌの砂金はアイヌの祖先が集め、今回の金塊強奪事件は和人と戦うために軍資金として手を付けたアイヌの男たちが何者かに奪われた事件だったことが明かされる。犯人に心当たりのないマカナックルはワッカウ(水の神)の呪いとし、古来より大事にしてきた川で砂金を魔物が付いている称し、その砂金を戦いのために手を付けた男たちを非難する。

 

カジカをフチへ献上した際、アシリパさんからトゥレンペという憑神について教えられる。人はみな生まれてすぐにトゥレンペが憑き、それによって性格や能力が違っていたり守られていたりする。これの悪霊版がコシンプというのだが、このコシンプと共に語られる淫乱を司る神「パウチカムイ」というものがある。このパウチカムイに取り憑かれると全裸で走るなど奇行を行うようになると言われている。んでこのパウチカムイが作ったとされる層雲峡と呼ばれる断崖絶壁の滝があるのだが、これがEDの滝と酷似している。もしかすると金塊は層雲峡にあるかもしれない。

 

今回のアイヌ飯はカジカで出汁を取ったキナオハウ。カジカは見た目は悪いが美味とされ、特に「鍋壊し」と呼ばれるほど強烈に美味しい出汁が取れるそうだ。ちなみに日本の固有種。パッと見る限り、人参やジャガイモ、タケノコ?それにほうれん草?小松菜?、が入っており塩味の鍋。杉本が食べるシーンはとても美味しそう。実際にキナオハウを料理で作った人の記事がこちら。

 

 キサラギなどでアシリパさんが村のこども達と遊ぶ姿を見て、自分の思いつきで彼女を金塊争奪戦に巻き込んでしまったことに罪悪感を感じ始める杉本。マカナックルからレタラとの別離を聞かされ後、さらにフチからアシリパと一緒にいてやって欲しいと頼まれると、自分もレタラ同様にアシリパさんとは生きる世界が違うと感じて1人で村をこっそり出る。

 

小樽の街へ出た杉本は囚人を探すべく蕎麦屋へ聞き込みに回る。そこで娼婦が奇妙な入墨を持つ人物に怪我を負わされたことを聞き、その娼婦がいる蕎麦屋へ。そこで名物ニシン蕎麦を振る舞われる。味の濃そうな見た目通り、関東生まれである自分好みだと杉本はヒンナヒンナするが、ヒンナだぜなんて呑気なことを言っている間に蕎麦屋の女将に通報され第七師団に包囲。抵抗むなしく、鶴見中尉に捕まる。

 

杉本が鶴見中尉に尋問されている間、アシリパさんはレタラと合流。杉本の残した靴下で追跡するも何故か白石の所へつく。前回の川へ落ちた際に履き違えたらしく、杉本のではないとわかったアシリパさんは嫌悪感を露わに。部下にならないかと提案された杉本だが、あっさり拒否して牢屋へ。牢屋で椅子に縛り付けられている所へ、洋平航平双子兄弟と戦闘に入る。あの椅子に縛り付けられた状態で、空中を回転しながらタックルするのが人間離れしてる。その後もタックルで椅子を壊した直後に足で片方の首を締め、ナイフが少し刺さりながらも持ちこたえる所業。あっさり捕まった時にそれを発揮すれば良かったんじゃ・・・とつい思ってしまいながら次回へと続く。

5話 駆ける

第七師団の根城である駐屯所にアシリパさんは白石に案内される。杉本の生死は確かじゃないと言う白石に対してアシリパさんは杉本の生命力でそれを否定。杉本は双子と肉弾戦を繰り広げるも途中、駆けつけた他の第七師団に止められる。「お前ら来るのがおせーよ。わざと大きい音たてたんだから早く来い」と胆力を見せた杉本を白石は確認し、アシリパさんに自分も金塊の分前をもらう代わりに救助策を提案する。

 

全身に油を塗り関節を外して牢へ入ってきた白石を見た杉本は「妖怪・・・?」と何とも言い得ぬ顔をする。洋平浩平が入ってくる直前に縄を解くことに成功し、浩平を見張りに立たせて洋平は杉本をヤろうとするも、油断した隙きにあっさり返り討ちに合う。浩平を殺されて怒り狂う洋平だが取り押さえられ、腹を切り裂かれ贓物がハミ出した重傷の杉本は駆けつけた鶴見に命と引き換えに入墨人皮を渡すことを提案、鶴見はそれに乗り杉本から何としても情報を聞き出すよう部下へ命じて病院へ送る。

 

浩平の死体を漁り杉本の重傷がフェイクだと見破った鶴見は高速で追いかける。馬ソリを奪取し逃げる杉本だが、出発して良い時間が経ってるはずなのに速攻で鶴見に追いつかれる。そこへアシリパさんが助けに入り鶴見の馬を弓で射るも、鶴見は物ともせず走っておいかける。慣性の法則が乗ってるとは言え、落馬した直後に馬に離されないスピードで走る鶴見が人間離れしてる。

 

杉本を銃で攻撃するのをやめた鶴見は駐屯所に戻るも、駐屯所は白石によって燃やされていた。おそらくアシリパさんが常備していたヒグマの油を白石が塗って余ったものを使ったのだろう。鶴見の部下が入墨人皮を持ち出すことができなかったと報告したが、鶴見は入墨人皮をベスト状にして既に着用していた。「おかげで暑いわー!」「杉本一味の方が一枚上手だ。入墨人皮集めは奴らに任せよう。」とピエロ役を存分に発揮した鶴見であった。

 

そして有名な桜鍋を食べるシーンへ。杉本とアシリパさんが一通りの会話を終え、白石が明るく場を盛り上げつつ、アシリパさんは変顔しながらも初のオソマ(味噌)試食へ。この食べる時の「はぁ〜ん」と発しながら作った杉本の顔はどういう心境から出てくるものだったのだろうか。食べてみたらやはりヒンナだったらしく、杉本とアシリパさんの重い雰囲気は打ち解けた。

 

翌日、白石は街で情報収集に向かい、アシリパさんと杉本はエゾシカの足跡を発見し食料調達に向かう。昔はエゾシカがよく獲れたのでアイヌ人たちはカムイとせず、神様が人間のために天上から撒いてくれてるものだと考えられてきた。過去の大雪害により餌を確保できずに多くのエゾシカが数を減らしたのは、エゾシカを大切に扱わなかった人間に神様が怒り撒くことをやめたからだという。ここの下りは旧聖書の中で神が日曜日に休ませるために白いフワフワしたものを撒き、日曜日にもそれを拾うのに精を出し始めたのに怒り、撒くのをやめたことに似てる。

 

焦った杉本はエゾシカを仕留め損ない追いかける。途中、犬を連れたマタギに足跡を発見。それはレタラを狩るために追ってきた谷垣と二瓶鉄造(とリュウ)のものだった。二瓶の助けられ同伴する谷垣は二瓶の村田銃の弱点を指摘するも「(最新式の銃が)5発入るからって5回勝負できるわけではない」と1発しか装填できない村田銃を持つ理由を語り、リュウがヒグマを巣から出してきた所を見事1発で仕留める。このヒグマが猛スピードで走ってくるのに立って待ち構える二瓶の胆力には谷垣と同様に驚いた。走ってきたヒグマが二瓶にビビる。まさにヒグマもびっくり。次回からは二瓶と杉本達の戦いが始まる。

6話 猟師の魂

最初は200頭以上の熊を獲ってきた経験を持つ二瓶が熊の個性と習性の区別を説明する所から。習性を知っていれば有利に働くが、経験がない狼を狩るのは個性と個性の戦いになると「勃◯」する。一方、杉本とアシリパさんは弱った鹿を追い込み狩る。アシリパさんがスキーヤーもびっくりの杖で崖を滑る神業を疲労するも狩り損ねる。

 

場面は二瓶のたちに戻って、今回はアイヌ料理ではなく二瓶ゴハン。血を中心として、「心臓焼きました」「血の腸詰め」、どちらも噛めば噛むほど新鮮な血の味がするらしい。谷垣の山への愛着から、軍人ではなくマタギとして生きるべきか、板挟みになっている心情を吐露。二瓶は狼刈りは口実だと指摘し、故郷に戻ってマタギになるよう背中を押す。谷垣は軍帽を火の中に入れ、軍を離れる意志を示した。

 

倒れた木の元で暖を取り一夜を明かした杉本とアシリパさんは鹿の追跡を再開する。鹿のオソマを渡された杉本は食べるなよと忠告され、朝から全力でツッコミを入れる。鹿に追いつき挟み撃ちで鹿を仕留めようとするものの、凍った血を溶かすほどの体温を持たずして鹿の懸命に生きようとする力に杉本は自分を重ねて撃てず、最終的にはレタラが来て仕留めた。この時の3Dによるレタラのモフモフした迫力は可愛い。アシリパさんに叱責されるも、山における生命の伝搬を教えられた杉本は鹿を仕留めたことを受け入れる。途中、レタラが鹿の解体を急かし、この場をすぐに離れるように促す。これは後述する「送り狼」によるものだと思われる。杉本とアシリパさんは解体を中止し、残りはレタラに任せてその場を離れる。

 

二瓶たちもレタラの捜索に乗り出す。狼をおびき寄せるには鹿を狩る必要があると判断し鹿を捜索。ヒグマを恐れぬアイヌ犬のリュウが怯え始めたことにより、レタラの縄張りにいると気づく。ちょうど杉本たちが仕留めた鹿を発見。周囲にある足跡の様子から狼がアシリパさんと親しいことを板垣は見抜き、まだこの山に杉本たちがいることを確認。同時に送り狼と呼ばれる狼に監視されてるとも見抜き、二瓶が体臭を消すために水垢離を提案。杉本たちも追ってきた二瓶たちを確認し、追跡してくる様子がないことを確認した。

 

小屋に戻ると白石が聞き込みを終えて酒を手土産に帰還していた。ダイジェストで鹿のチタタプを囲い、3人とも酔いアシリパさんに関してはチタタプの美味しさに小屋を突き破る。マタギの板垣さんと違って美味しさのあまりに本当に突き破ってしまった。白石が聞き込みの結果、二瓶のことがレタラを狙ってることが判明、この間アシリパさんは真顔で飛び出た状態だった。危機感を感じるも朝まで二瓶追跡を待つことに。

 

水垢離を済ませた二瓶と板垣は鹿の死体の近くでレタラを待つも、レタラに糞で嘲笑らわれる。追跡してくるレタラを送り狼への対策を使って待ち伏せする作戦に変えて、板垣が囮役、二瓶が狙撃手役でレタラを迎え撃つ。杉本たちも二瓶を見つけ、レタラが撃たれる寸前にアシリパさんが助ける。同時に杉本は二瓶の背後を取って優位に立つもリュウに銃を取られて肉弾戦へ。獲物への執着心から、指をナイフで切り落とされ腕に刺されても怯まず杉本を柄で殴り付ける二瓶。何があっても絶対に生き残る意志を持つ杉本。2人の死闘が始まった。徐々にエンディングが流れながらも互いに1歩も引かない迫力ある肉弾戦はカッコ良い。

 

水垢離の際、二瓶は語った。かつて二瓶は自分の獲物を横取りしようとした盗人3人を三日間かけて銃を使わず棍棒で殺害。最後の1人に関しては警察官の前で首を折り、獲物への執着心、山の掟を守り人間の掟を破った代償に網走収監状へ入獄。そして山で生きて山で死ぬ本望を叶えるために入れ墨を入れて脱獄したこと。囚人と知り銃を向けた板垣だったが、二瓶の猟師魂に感化される。二瓶の魂は後々物語で板垣を動かす原動力となる。